くらしくらぶの実例紹介

#01発寒の家

発寒の家

「何かちょっと違う…けど」

家賃と変わらない月々の返済額でマイホームを取得できる。そんな話をきっかけに、マンションの購入を考えはじめたYさん。最初は中古マンションをリノベーションしようと、通勤に便利な地下鉄沿線を探しますが、なかなか手頃な物件が見つかりません。「管理費や修繕積立金などを考えたら、住宅費的にはマンションも一戸建ても価格的には変わらないんですよね」。住宅セミナーなどに参加し、勉強していくにしたがって、物件によっては新築マンションにも手が届き、さらには注文住宅も決して叶わぬ夢ではないことがわかります。「それなら見積もりだけでもしてもらおうと、住宅メーカーに行ってみたんです」。
このときYさん夫妻が決めた予算は2500万円。その中で土地を取得して家を建てるとなると、家にかけられる予算はおのずと限られてきます。そんなとき、ある会社の企画型住宅に目がとまります。基本的な設備仕様がパッケージされて1000万円台。これなら建てられるかもしれないと、家づくりがグッと現実的になります。その後、プランと見積もりを依頼して実際に出来上がった家を見学。「初めて見たときは、何かちょっと違うと思いました。でも、自分たちの予算だとこれくらいしかできないんだろうなって思いこんでいたので、他の住宅メーカーに相談したりもしなかったんです」。

発寒の家

「この人ならわかってくれそう」

心の片隅に「何か違う」という想いを抱きながらも話を進めていたYさんは、キッチンだけは自分の好きなものにしたいと、「造作キッチンをつくってくれるところがないかインターネットで探しました。それで松山さんのキッチンにたどり着いたんです」。このとき、目当ての土地が権利上の手続きに時間がかかることがわかり、家の打ち合わせは小休止。時間の猶予ができたことで、それならキッチンの相談もしてみようと、Yさん夫妻は家の図面を携え平岡ベースへと出かけます。
そこで展示されていたキッチンにひと目惚れ。なんとかして実現できないものか、図面を見てもらいながら相談します。「平岡ベースで家づくりをしていることもわかりましたし、キッチンの相談をしているうちに、家そのものを根本的に考え直そうということになりました」。予算ありきの家づくりではあるものの、その予算のなかで理想を叶える方法があるかもしれない。「松山さんと話をしてみて、この人なら私たちがどんなものに惹かれるのか、わかってもらえそうな気がしました。言葉で表現できないこだわりを上手に引き出してくれるかもしれないと、そう思えたんです」

発寒の家

「素敵になる。そう信じていました」

それからまもなく、Yさんは平岡ベースを通して小坂裕幸建築設計事務所を紹介されます。「ホームページで松山さんのキッチンを見ているときに小坂さんのことも知って気になっていたんです。家の写真を見ると光の感じがとてもきれいで、いいな、好きだなって、ときめきました」。実際にプランを考えることになり、Yさんは小坂さんから「好き」なモノやコトについて質問されます。「新しい家に持っていきたいものの写真を撮って見てもらい、昔住んでいた社宅や団地のような感じが好きですと伝えたら、あとはもうお任せです。きっと素敵な家になるんだろうなって、余計なことを言わなくても自然にそうなると信じていました。自分たちの好きな空間をつくっている人たちが携わってくれた時点で、私たちの家づくりは成功していたと思います。
玄関に入ると1階は塗り壁にコンクリートの床が団地を思わせる無骨な雰囲気。階段を上ると2階は光があふれるオープンなLDK。壁に家具のように美しいキッチンが据えられています。光を和らげる障子戸を開けると川を望むオープンデッキ。「平岡ベースに行くまでは設計士さんにお願いできるなんて考えてもみなかったので、本当に夢のようです。土地の契約がスムーズに進んでいたら、松山さんや小坂さんにも会うことなく、妥協しながら別の家を建てていたと思います。松山さんたちに会ってから、割とすぐに土地も契約できたので、もしかすると、この土地が待ったをかけてくれたのかもれしれませんね」。

発寒の家

COMMENTらしい、くらしかなえるヒント

From くらしくらぶ From くらしくらぶ
――くらしくらぶからひとこと担当 / 松山

「造作キッチンはどういう空間に置かれるかによって素材もデザインも変わってきます。Yさんが気に入ってくださったキッチンも、そのとき建てようとしていた家とのバランスが決してよいとは言えませんでした。空間があってこそのキッチンであることをお話しして、予算もうかがったうえで小坂さんならきっとやってくれるに違いないとお願いしました。団地のような家というお題をもらって、小坂さん自身も好きな雰囲気だったらしく、すごく楽しんで考えてくれましたね。建て主のYさんが設計の小坂さんを信頼して、その思いに小坂さんが全力で応えた、両者の思いが凝縮した素敵な家になりました」

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From ARCHTECT From ARCHTECT
――建築家からひとこと小坂裕幸建築設計事務所 代表 小坂裕幸さん

「団地のような雰囲気が好き。お施主様のひと言で家づくりの方向性は定まりました。1階は無機質なコンクリートの床に白い壁、ホールから続く階段はあえて幅を狭め、LDKのある2階に上がったときの劇的な明るさと開放感を演出しています。30坪に満たない小さな敷地は南側が隣家の畑で、その先に川沿いの緑が望めます。この眺めを楽しむと同時にリビングスペースを広げるため、2階LDKに面してカーポートの屋根を利用したルーフデッキを設けました。1階は洗面スペースにつなげてドライルームを兼ねたウォークインクロゼットを配するなど収納も必要十分。この小さな家には、広さ以上の豊かさが満ちています」

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発寒の家

DATA

  • 木造2階建て
  • 延床面積/30坪
  • 設計/小坂裕幸建築設計事務所
  • 施工/匠建コーポレーション

今回お手伝いしたこと

  • ●建築家コーディネート
  • ●工務店コーディネート

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