細菌の増殖を防ぐ効率的な風呂釜洗浄の方法

お風呂掃除の中でも、最もやっかいと言っても過言ではない「風呂釜洗浄」。

 

つい掃除を怠ってしまいがちですが、風呂釜の汚れを放置すれば、湯船が汚くなったり、臭いの原因になったりするだけではなく、健康を脅かし、大変なことになってしまうかもしれません。特に抵抗力の弱い小さな子どもや妊婦・高齢者などがいる家庭では、定期的に風呂釜を洗浄するようにしておきましょう。

 

そこで今回は、効率的な風呂釜洗浄の方法をご紹介します。

風呂釜の汚れを放置すると、細菌が増殖するため危険!

風呂釜の配管に汚れが溜まると、風呂を沸かすときに、その汚れが浴槽内に流れ出てきてしまいます。例えば、以下のような状態であれば、風呂釜が相当汚れている証拠。

 

・白茶けた湯垢が湯船に浮かぶ
・風呂の湯が生臭い
・ヘドロ状の汚れが出てきた

 

風呂釜の汚れを放置しておくと、大腸菌やサルモネラ菌・レジオネラ菌などが、人の皮脂や水アカ・入浴剤を栄養にして増殖するため、とても危険です。なお、これらの菌は、36℃くらいの温度で最も繁殖しますので、何日も同じ湯を使うのは避けましょう。

風呂釜のタイプ別、2種類の洗浄方法

風呂釜は、浴槽と配管でつながっており、お湯を沸かしたり、追い焚きをしたりするときには、浴槽の中の冷たい水を吸い込み、装置内で温めたお湯を循環させる仕組みになっています。この循環の仕組みは2種類あり、それぞれ掃除の仕方は異なります。

 

【用意するモノ】
・市販の風呂釜洗浄剤、もしくは過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)
・古タオル
・ホース2m

 

(1)自然循環タイプ:2つ穴
2つ穴の風呂釜は、温かい湯は上昇し、冷たい水は降下するという、水の温度差を利用した自然循環タイプです。このタイプは配管内を流れる湯のスピードが遅いため、配管に汚れが溜まりやすくなります。

 

【掃除方法】
1.下の穴を古タオルで塞ぎます。

2.上の穴から、市販の風呂釜洗浄剤もしくは過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を50g程度流し込む。

3.上の穴に40~50℃のお湯を溢れない程度に注入し、2時間ほど放置する。

4.30分~1時間後、下の穴を塞いでいたタオルを外し、上下の穴から水道のホースで水を入れ、汚れを洗い流す。

 

(2)強制循環タイプ:1つ穴
穴の中で配管が2つに分かれているタイプ。ポンプを利用し、1つの穴で水を吸い込み、お湯を吐き出す仕組みです。

 

【掃除方法】
※湯止めカバーが外せないタイプもこの洗浄法で掃除してください。

 

1.穴より5cmくらい上の水位まで溜める。入浴剤が入っていない残り湯であれば使用可能です。

2.市販の風呂釜洗浄剤もしくは過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)250gを入れて、かき混ぜる。

3.40℃ぐらいになるまで追い炊きする。このとき、洗浄したい洗面器や椅子などの小物も一緒に浸けておきましょう。

4.3時間ほど放置した後、再度3分ほど追い焚きしてから排水。

5.ホースで穴に水を流し入れて汚れを洗い出す。

 

※ヒノキや大理石の浴槽、24時間風呂には、この洗浄方法はNGです。

風呂釜を掃除しても汚れが出るなら専門業者に相談を

自宅の風呂釜のタイプを確認し、衛生を保つためにも風呂釜洗浄に挑戦してみましょう。

 

なお、自分で掃除しても白茶けたヘドロ状の汚れが出る場合は、専門業者に相談することをおすすめします。

 

筆者:高橋和子/掃除コンサルタント
整理収納・家事代行を手掛ける「フェリシア ラボ」代表。主婦歴25年の経験と、8回の転勤と10年間の両親の介護経験を生かして、女性の目線で「きれい収納」を提案。整理収納とエコ掃除術で日常生活をサポートしている。平成24年9月、一般社団法人日本エグゼクティブプロモーター協会を設立。整理収納・片付けの資格講座を開講中でリカレント(生涯学習)教育の推進している。テレビや新聞など、メディア出演実績も多数。■HP:http://felicia-lab.jp